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2025.03.19ニュースリリース
2025年3月20日にリリースから5周年を迎える、てんかん患者とご家族を支えるアプリ「nanacara」は、全国のてんかん患者・ご家族195名を対象に生活実態と2030年に向けた希望を調査しました。
てんかん患者・ご家族のQOLに関する実態と、2030年に向けた希望とは? 2025年3月20日、ノックオンザドア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:林 泰臣)が運営する「nanacara」は、リリースから5周年を迎えます。そして3月26日は、世界的なてんかん啓発の日「パープルデー」です。この2つの節目を機に、全国195名のてんかん患者・ご家族を対象に、生活の質(QOL)や2030年に向けた希望に関する調査を実施しました。本調査では、てんかん患者・ご家族の日常を一般の子育て世帯と比較し、特にこれまで指摘されていた課題である睡眠時間、自由時間、外出・旅行などの状況を数値化しました。また、てんかん患者・ご家族が「2030年までに叶えたい願い」について自由回答を集計し、QOL向上に必要な環境や社会の在り方を可視化しました。
・1日5時間以下の睡眠時間42.7%:睡眠不足とされる5時間以下の睡眠時間の割合は、てんかん患者ご家族 42.7%。一般世帯23.7%に比べ約2倍。
・1日3時間以下の睡眠時間4.2%:極端な睡眠不足にあたる3時間以下の睡眠時間の割合は、てんかん患者ご家族 4.2%。一般世帯1.4%に比べ約3倍。
※2025年当社調べ。てんかん患者家族 (オンランイン調査 n=165) 一般世帯(ウェブ調査 n=2400)
発作の見守りや医療的ケアが必要なため、「夜中に何度も目が覚める」「まとまった睡眠が取れない」といった声が聞かれました。
・1日1時間以下の自由時間:てんかん患者ご家族の 33.7% が、1日の自由時間が1時間以下と回答(一般世帯の約1.4倍)。
・1日30分以下の自由時間:自由時間30分以下のてんかん患者ご家族は9.0%(一般世帯は3.8%)
※2025年当社調べ。てんかん患者家族 (オンランイン調査 n=165) 一般世帯(ウェブ調査 n=2400)
発作の見守りや医療的ケアが必要なため、「自分の時間を確保できない」「リフレッシュする時間がほとんどない」といった声が多く聞かれました。
「1年間で1回も旅行に行っていない」割合 : てんかん患者ご家族 42.2%(一般世帯 43.8%)
「過去1年間に2回以上旅行した」割合 : てんかん患者ご家族 22.3%(一般世帯 31.1%)
※2025年当社調べ。てんかん患者家族 (オンランイン調査 n=165) 一般世帯(ウェブ調査 n=2400)
旅行のハードルは、発作時の対応や医療機関へのアクセスの不安により高まっています。特に「2030年までに叶えたいこと」として「旅行に行きたい」と回答した患者ご家族は52件(自由回答全体の約3割)にのぼり、家族との思い出を作る機会を求めていることが明らかになりました。
「安心して外出できる環境がほしい」「学校や職場でてんかんへの理解が進んでほしい」
「患者家族の視点から支援の枠組みを作ってほしい」
調査では、「できないと言われることを減らしたい」「普通の暮らしを送りたい」という声が多く寄せられました。特に「旅行を諦めたくない」「学校行事を楽しみたい」「就職の際に不安を感じたくない」といった願いが多く寄せられました。
日本には約100万人のてんかん患者がおり、100人に一人が罹る身近な病気です。しかし、てんかん患者やご家族がどのような日常を送り、何を望んでいるのかについては、社会的に十分に知られていません。本調査は、てんかんとともに生きる人々の現状と未来の希望を可視化し、医療・福祉・行政・企業など多方面での理解を深めることを目的としています。
今後、調査結果を活用し、社会全体で支援のあり方を模索するための基盤とする予定です。
nanacaraは、「てんかん患者・ご家族の声で創る」ことを大切にしてきました。誕生から5年、数えきれないほどの声をお寄せいただき、多くのことを学び成長しました。今回の調査で明らかになったのは、患者やご家族にとって「ほんの少しの時間」がどれほど貴重かということ。少しでも安心して眠れるように、少しでも自由に外出できるように、もっと気軽に夢を語れるように。
nanacaraは、これからもてんかん患者・ご家族の「少しでも暮らしがよくなる」未来のため、てんかん患者・ご家族とともに歩み続けます。
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