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2022.09.08ニュースリリース
– てんかん診療の地域格差をなくし、よりよい治療環境のため患者・ご家族、かりつけ医、専門医、薬剤師とでつくる、新しいてんかん診療への取組を開始 –
患者・ご家族、医師と共に創る、てんかん*診療の支援プラットフォーム「nanacara(ナナカラ)」を運営するノックオンザドア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:林 泰臣、以下ノックオンザドア)は、てんかん診療に特化したオンライン診療・服薬指導サービスの「nana-medi(ナナメディ)」をリリースしました。これにより、nanacaraをご利用いただいている患者・ご家族をはじめ、日本全国にてんかん専門医による質の高いてんかん診療体制を継続的に提供し、新たな課題解決の取組を開始します。
【背景】
てんかんがある方は、本邦で100万人程度おり、多くの方は適切な診断や、抗てんかん薬などによる治療で発作が抑制され、通常の社会生活を送られています。その一方で、約3割の方は発作の抑制が難しく、日々繰り返す発作に対応を求められる「難治てんかん」患者になります※1,2。
そのような背景がある中、患者・ご家族、医師、薬剤師へのヒアリングで、2つの課題があることがわかってきました。
1.てんかん専門医・てんかんの知識のある薬剤師へのアクセスの課題
患者・ご家族へのヒアリングから、てんかんの専門医の診療や知識のある薬剤師から服薬指導を受けようと思っても、適切な治療にたどり着きにくい状況があるという声を多く聞きました。その一つの要因として日本において、てんかんの専門医の数は少なく、且つ都市部に偏在しており※3、専門医のアクセスが難しくなっている状況がわかってきました。
2.オンライン診療と対面診療の品質の差の課題
難治てんかんの治療継続期には定期的な診察が必須となり、生活の中で診察にかかる負担(移動時間、待ち時間、移動への身体的・精神的負荷等)も大きくなっています。その負荷に加え、コロナ禍の外出への不安から、患者・ご家族からのオンライン診療への要望・期待が多数ありました※4。その一方で、オンライン診療は対面診療より質が落ちると考える患者・ご家族、医師がいることも、ヒアリングからわかってきました。
【課題解決への取り組み】
これらの課題を解決するため、遠隔での診療時において、nanacaraと連動し、患者・ご家族と医師が発作・体調・お薬等の状況を見ながら診察のできる「nana-medi(ナナメディ)」を患者・ご家族、医師、薬剤師と開発しました。このシステムにより、患者・ご家族と医師は診察時にお互いの表情や、発作記録・薬剤のデータを画面で見ながら診察を行え、共に情報量が多く安心できる診察が可能になります。また、オンライン診療後には、てんかんについての知識を持った薬剤師のオンライン服薬指導を選択することも可能になります。
このシステムをもとに、地域のかかりつけ医とオンラインでのてんかん専門医の診療とを組み合わせ、役割分担をしながら専門的なてんかん診療を提供できる仕組みづくりを、医師を中心に開始しています。
この活動により、より多くのてんかんで困られている患者・ご家族へ、どこにお住まいであっても、質の高いてんかん診療体制を提供し、てんかん発作が少しでも軽減されることで、患者・ご家族のQOLの向上に貢献して参ります。
*てんかん:脳の神経細胞の過剰な電気的興奮に伴って、意識障害やけいれんなどの症状(てんかん発作)を引き起こす慢性的な脳の病気です。
出典:
※1 てんかんの有病率等に関する疫学研究及び診療実態の分析と治療体制の整備に関する研究_2013年
※2 Kwan P, MJ Brodie. Early identification of refractory epilepsy. N Engl J Med. 2000 Feb 3;342(5):314–9.
※3 2020年度てんかん地域診療連携体制整備事業 てんかん診療コーディネーターWEB研修・全体会議「てんかん地域診療連携体制整備事業 2020年度全国てんかん対策連携協議会」国⽴精神・神経医療研究センター病院てんかんセンター 中川栄⼆
※4 新型コロナウイルス感染症が与える診療と生活への影響調査レポート SAChi(サチ)プロジェクト、ノックオンザドア株式会社
【nana-mediとは】
nanacaraと連動するオンライン診療・服薬指導システム
非対面でも詳細な患者さんの発作・服薬情報を医師が閲覧でき、医師・患者間でグラフ等の画面を共有することで、より伝わりやすい、てんかん診察を支援するオンライン診療・服薬指導システムです。
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